推計昼間人口の概略

昼間人口とは、昼間当該地域にいるであろう人口のことで、いわゆる人口（夜間人口）と対比されるべき指標です。ただし、買物客などの非定期的な移動は考慮しません。
例えば、市区町村単位の昼間人口は、国勢調査に基づく従業地･通学地別の就業者･通学者数を用い次の式により求めます。

昼間人口 ＝ 常住人口 － 流出人口 ＋ 流入人口

しかし、町丁等の小地域単位では、従業地･通学地別の就業者･通学者数は公表されていません。当社では、国勢調査、経済センサス等のデータを基に、次の式により推計することとしました。

昼間人口 ＝ 通学者数＋ 従業者数 ＋ 通学も従業もしない者

また、より確実にターゲットを絞り込むことができるよう、地域に立地する事業所の業種、学校の区分等の情報を基に、下表に示すとおり性・年齢別に区分し推計することとしました。

昼間人口指標

GISによる活用事例

昼間人口は、「別の場所に住んでいるが、昼間はその場所にいる人」を対象としたマーケティングを行う際に不可欠な指標です。
例えば、日常の買物を行うスーパーやホームセンター、クリーニング等の店舗の場合は人口（夜間人口）を中心に考えますが、事務用品の販売、コピーサービス、コンビニエンスストアや塾・教室、医療施設等では昼間人口が重要な要素となってきます。

下図は、町丁別の夜間人口（国勢調査人口）と昼間人口をそれぞれX軸、Y軸として散布図で表示したものです。
例えば、ランク1は夜間人口・昼間人口ともに多い町丁のグループ、ランク2は夜間人口は多いが昼間人口の少ない町丁のグループ、ランク3は夜間人口は少ないものの昼間人口が多い町丁のグループ、ランク4は夜間人口・昼間人口いずれも少ない町丁のグループであることを示しています。

夜間人口（国勢調査人口）と昼間人口による散布図

散布図のランク区分

下図は、上記散布図のランク値をマップ上に表したものです。
各町丁に表示した円グラフは、昼間人口と夜間人口を足した人数の多さとその構成比を示しています。
立川駅周辺等、駅を中心にランク1（夜間人口・昼間人口ともに多い）あるいはランク3（夜間人口は少ないが昼間人口が多い）の町丁が集中している様子がうかがえます。ただ、その構成は町丁によって様々で、昼間人口中心の町丁や夜間人口中心の町丁がみられます。
なお、国立市では、市域の大部分がランク1となっていることがわかります。

昼間人口と夜間人口（国勢調査人口）のランクマップ

下図は鉄道駅周辺1km圏内における昼間人口女性比率と、同圏域内の15歳～30歳までの若年層昼間人口を5歳階級別にグラフ化したものです。
例えば、西武新宿線では多くの駅で昼間人口に占める女性比率が高いという傾向がみられますが、JR中央線や京王線では駅によって傾向が異なるといったことなどがわかります。
また、昼間人口の女性比率は同様に平均的であっても、立川駅のように25歳～29歳昼間人口が中心の駅、国分寺駅や東小金井駅のように15歳～24歳昼間人口の方が中心の駅があるなど、地域によって特徴のあることがわかります。

鉄道駅周辺地域（1km圏）の昼間人口女性比率と年齢別構成

鉄道駅周辺地域（1km圏）の昼間人口の詳細表